2015年 08月 16日
お盆のしつらいー精霊棚 |
祖霊をお迎えするための精霊棚。お盆に戻ってこられるご先祖様は、私達のように地面に降り立たれるのではなく、中空(なかぞら)にいらっしゃるとされています。水辺に生える真菰は、地面ではない中空を示しているとのことで、真菰を敷き、その上にお盆にちなんだしつらいを用意します。そして、道に迷われないように、お家の中には、盆灯籠等を灯し、玄関先で麻幹(おがら)を焚いて、迎え火とします。迎えるお花は、野山の草花、吾亦紅やほうずき、蒲の穂、女郎花などをたっぷりと。。ご先祖様は、お茄子の牛に荷を載せ、胡瓜の馬に乗って現世に帰ってこられると言われています。故人が好きだった食べ物や夏の果物等をお供えし、おもてなしします。
このようなお盆の行事をされる御家庭も、今は少なくなったと思いますが、大切なのは、天国へと見送った身近な人たちを偲び、思いを忘れないことだと思います。目には見えない神々や先人への感謝の気持を盛り物として形に表す、こうした行事のしつらいも、私達日本人にとって、とても意味があることだと、あらためて思い直しています。私自身も、自分を支えてくれていた大切な人達との別れを経験し、心から、こうした事が大切に思えてきました。「丁寧に事を行う」ことで、自分自身の気持も和らぎ、何かすっきりとした空気感を味わえます。こうして、自然や先人の恩恵に感謝し、大きな存在を感じると、謙虚になれる気がします。こういうしつらいを、「古くさい」と敬遠してきた世代であることを痛感し、少しでも次の世代へと繋げられればと思います。
材料/ 西瓜、きゅうり、お茄子、ほおずき、お数珠、散華、真菰、
by ggallery
| 2015-08-16 21:56
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