桃の節句

今年も雛祭りの日を迎えられました。祖母から引き継いだお雛様のお軸。明治、大正、昭和、平成、時代を共に生き抜いて、私と同じくシミシワがたくさん。時代の変化にさぞかしびっくりしていることでしょう。

江戸時代までは、旧暦(4月3日頃)で行われた雛祭りのせいでしょうか。この古いお軸には、桃ではなく桜が描かれています。

邪鬼を祓う霊力があるとされる桃の花を飾り「桃の節句」とも言われますが、菜の花も欠かせません。菜の花は菜種油がとれ、神仏に備える灯明に使われたことにより、天国にいる子供達へ手向ける意味もあるとされています。

3月3日の雛祭りは、古代中国の五節句のひとつ、上巳の節供と結びついて伝えられました。上巳とは、月の初めの巳の日。陰陽説では奇数が重なる3月3日を忌日とされ、邪鬼を祓うために川に入り身を清める禊が行われたとのこと。この儀式が日本に伝えられ、身代わりとなる形代を海や川へ流す「流し雛」という形に変わり、伝えられたそうです。現在でも京都の下鴨神社では、流し雛の儀式が御手洗川で行われていますね。子供達の無病息災を祈って、そっと和紙で出来た可愛い雛人形を藁で編んだお船にのせ川に流します。機会があれば、足をのばされてはいかがでしょう。

私と共に年を重ねて来たお雛様。もうあと、何回出してあげれるだろうな、なーんてふと思ってしまいました。

お雛様のように、こんなお内裏様のようなイケメンさんには出会えなかったなぁ(笑)